著者:平山一城 仕様:A5判並製 ISBN:978-4-909348-54-8 発行日:2022/8/1 海外55ヵ国・地域の395大学と協定、地球規模でグローバル人材を育てる 好評の「聞き語りシリーズ リーダーが紡ぐ私立大学史」第4弾。今作は、シリーズ初の女性理事長の登場で、関西外国語大学理事長・総長の谷本榮子氏が主人公です。 関西外国語大学は、榮子氏の祖母夫妻が終戦の年に「谷本英学院」として創立し、その後短期大学を経て、1966年に4年制大学を開学しました。本書では「外国語」大学でありながら、常にその枠にとらわれず挑戦と躍進をつづける関西外国語大学の歴史と、それを支える人々の物語にせまります。 榮子氏は、1965年、まだ18歳のころに谷本家に嫁ぐため大阪へやってきます。結婚し、大学経営の一翼を担わされるうちに、「他の追従できない大学」を目指す祖母の多加子氏や夫の貞人氏の情熱に感化され、やがて学園づくりに奔走するようになります。 また、教職員の組合運動が盛んなころ、「谷本家」の経営体制を批判する声もあるなか、根気強く、しかし、ブレることなく交渉を重ねたのが榮子氏であり、その結果として、関西外国語大学の魅力の一つである、学生と教職員の近いアットホームな雰囲気の学内をつくりあげました。 時には職業人として、時には妻として、厳しい男社会を生き抜いた榮子氏の姿は、戦後日本の女性の生き方をリードするものでした。 「教育とは『共に育つ』こと、つまり『共育』である」。この独自の教育哲学を掲げて、自らも教壇に立ち、国際教育への情熱を燃やしつづける姿には胸をうたれます。 今回は、巻頭に大学の歴史とともに躍進を続ける理事長の姿を伝えるカラー写真もたっぷりと掲載しました。取材・執筆は、前作と同様に産経新聞元論説委員のジャーナリスト、平山一城氏です。
◆著者略歴◆ ジャーナリスト。1975年、北海道大学法学部を卒業し、産経新聞に入社。社会部、経済部、外信部を経て、米ワシントンのジョンズ・ホプキンス大大学院(SAIS)に留学、国際関係論の修士を取得。1991年の湾岸戦争で中東取材、ソ連崩壊後のモスクワ特派員や論説委員、編集委員を歴任した。著書に『長野県知事・田中康夫がゆく』(扶桑社)『信州スタンダードで大丈夫か!?』(産経新聞)『大学の淘汰が始まった!』(宝島社)など。