著者:平山一城 仕様:A5判並製 ISBN:978-4-909348-25-8 発行日:2019/11/20 「世界への道は京都から」、会津魂が築いた外国語教育 好評の「聞き語りシリーズ リーダーが紡ぐ私立大学史」第3弾、今作は、日本私立大学協会副会長、京都外国語大学理事長・総長の森田嘉一氏が主人公です。 江戸時代の初期に遡る「教育一家」、しかも幕末に京都周辺の治安維持に当たり、明治政府側に敗れた会津藩士の末裔、森田氏の父母が創立したのが「京都外国語大学」です。 会津(福島県)の子孫が京都に大学、そのことでも関西では有名になった京都外大でしたが、その建学の精神「PAX MUNDI PER LINGUAS(言語を通して世界の平和を)」は日本の私学界に異彩を放つ存在となりました。 父親の急逝を受け、理事長・総長に就任して間もなく45年。森田氏は、教育一家の重みを「デスティニー(宿命)」と受け止め、学園の発展に全力投球しました。 そこには、教え子たちを戦争に送り出した創立者夫妻の「日本の若者たちを2度と戦争に行かせてはならない」との思いがあったのです。 支援組織も持たず、京都にいた恩師や友人を頼りに徒手空拳で学園運営にのり出した父母の姿を見ていた森田氏は、逆境にも屈することのない会津魂「不撓不屈」の心を教職員から学生までもが掲げるモットーとして、建学の精神に磨きをかけています。 「道はここから始まる。世界を見つめ、世界をつなぐ」。古来、世界への道として栄えてきた日本文化の中心・京都の地で、たくましいグローバル人材の育成に邁進する森田氏の姿は、ひたすら感動的です。 今回は、大学の歴史を伝える写真も満載しました。取材・執筆は、前2作と同様、産経新聞元論説委員のジャーナリスト、平山一城氏です。
◆著者略歴◆ ジャーナリスト。1975年、北海道大学法学部を卒業し、産経新聞に入社。社会部、経済部、外信部を経て、米ワシントンのジョンズ・ホプキンス大大学院(SAIS)に留学、国際関係論の修士を取得。1991年の湾岸戦争で中東取材、ソ連崩壊後のモスクワ特派員や論説委員、編集委員を歴任した。著書に『長野県知事・田中康夫がゆく』(扶桑社)『信州スタンダードで大丈夫か!?』(産経新聞)『大学の淘汰が始まった!』(宝島社)など。