著者:五十嵐正子 仕様:A5判上製312頁 ISBN:978-4-909348-35-7 発行日:2021/7/30 『大鏡』収載歌から作者の立ち位置を考える 2017年『「大鏡」作者の位置』出版から4年を経て、この度続編をまとめた。 『大鏡』は、いわゆる「四鏡」の一つであり、平安時代後期に成立したとされる紀伝体の歴史物語である。 著者は、文章には、乃至、語一つにでも、書き手の位置が表われると考えており、『大鏡』も190年の歳月を、幾層もの観点を織り込んで叙述していることから、各層を抜き出すことによってその立ち位置がわかると考え研究を続けている。 本書では、その研究のスタートとなった卒業論文「大鏡の批判」や、これまで触れなかった『大鏡』に収載する和歌について述べた、『新大国語』(新潟大学教育学部国語国文学会所載)掲載論文2編ほか、修士論文や書き下ろし論文を搭載。 作者の視点から、それまで自身が見ることのできなかった世界を発見する喜びを本研究を通して伝える。